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児童手当に関する議論   

またまた新聞記事から。

児童手当特例廃止を議論(日本経済新聞4月21日付朝刊)

児童手当は児童一人当たり毎月一定額が支給されるという制度です。0歳から3歳児には毎月1万5千円、3歳から中学生までは毎月1万円です。これには所得制限がつけられていて、世帯のメインの所得者が高額所得者である場合、児童一人当たり毎月5千円が支給されます。この高額所得者に対する支給を「高所得者層向け特例」と言っているようです。

そもそもこの児童手当は、民主党政権下で子育て世帯に援助をという目的で「こども手当て」として創設されたもの。選挙前は児童一人当たり2万6千円を支給すると公約に掲げていました。実施にあたり、まずは一人当たり1万3千円から始まりました。その際は所得制限がありませんでした。その代り、乳児から中学生に関しては所得税の「扶養控除」の対象から外すことにしました。ここまでは納得ですね。

問題はここから。民主党政権が危うくなってきて、東日本大震災の復興のために財源が必要になってきた平成24年に、こども手当ては児童手当に名前を変え、所得制限がつくようになりました。要は、こども手当てに充てる財源が足りなかったのですね。さらに、「高額所得者にまで補助をするのはおかしい」という、よくある意見が出てきたわけです。そこで所得制限を付けたのですが、それだけでは「最初の話と違う」ということになりかねないので「高所得者層向け特例」を残したのですね。

今回は、その特例までを廃止しようということですね。それなら「扶養控除」を復活してよ・・・と言いたいところですよね。

また、現行の所得制限の基準は、各家庭でメインとなる所得者の所得で決められます。ということは、夫婦共働き家庭では、どちらかメインの方を基準に決められるということです。これもちょっとおかしい制度で、例えば専業主婦のいる家庭に代表される稼ぎ手が一人の家庭でメインの稼ぎ手の方が1千万円の所得がある場合は高額所得に引っかかり、共働きで片方が700万円もう片方が600万円の所得がある家庭では700万円を基準に判断されるので高額所得には引っかからないことになります。この2つのケースだけ見ると、世帯収入が少ない方が引っかかり、世帯収入が多い方は引っかからないということになります。今回の見直しでは、所得制限を世帯収入で見ようという話も出ているようです。

そもそも実施に無理があると分かったのですから、元に戻せば・・・と言いたいところです。すなわち、こども手当ての流れをくむ児童手当を廃止し、扶養控除を復活させるのです。その方がすっきり来ると思うのですが。

それと、世論にも疑問があります。児童手当に限らずほかの政策の議論でもでてきますが、高額所得者を優遇するのはおかしい、足りなければ高額所得者から取ればいい、という世論、とても違和感を感じます。いろいろと知恵を絞り努力をし動き回って所得を増やすとたくさん搾取されるというのは、ある程度は仕方ないにしても、何でもかんでも当てはめると社会の活力を減退させると思うのです。行き過ぎると看板は資本主義だけど中身は共産主義的な国家になってしまうと思いますが、皆さんはいかがお考えでしょう。

# by tax1st | 2017-04-24 10:58 | 所得税(源泉税以外)

法人税の電子申告を義務化   

昨日朝の日経新聞にこんな記事が出ていました。

法人税、電子申告を義務に(日本経済新聞4月20日朝刊より)

財務省などの事務負担を軽減化する目的があるようです。2018年度税制改正大綱に盛り込むことを目指しており、早ければ2019年度から義務化になるようです。

税務の現場にいますと、電子申告に対するクライアントの温度は様々です。進んで電子申告を行いたいと申し出る方もいますし、うちは紙ベースでやりたいですとおっしゃる方もいらっしゃいます。しかし、電子申告が始まった当初に比べて、拒否なさる方はだんだんと少なくなり、許容派が多くなってきた感があります。電子申告開始から数年が経過し、システム的にも信頼感を得てきたともいえるでしょう。

近々、税務署に過去の申告書の閲覧に行くのですが、そのお願いを事前にするために税務署に電話を入れました。その際、電子申告をしているか否かを聞かれました。要は、紙ベースの申告書の場合は過去の申告書を探すのに手間がかかり時間を要するのですが、電子申告をしていた場合は比較的スムーズに短時間で済むようなのです。これは何となくイメージできますね。おお、電子申告のメリットはこんなところにもあるんだと、改めて感じましたね。
これが、毎日のように申告書を処理する税務当局からすれば、電子化のメリットは計り知れないのでしょう。資料整理の手間が少なくなる、書類保管のスペースがいらなくなる、検索が早くなる、税務署に納税者が押し掛けることがなくなるなど、表から見て推察するだけでもいろいろなメリットがありそうです。

しかし、義務化とはまた踏み込んだ目標を設定したなぁと思います。電子申告先進国の韓国などでは、ほぼ100%が電子申告で行われていると聞いています。そのために電子申告を行うと一定の税額控除のような制度があり、「国」と「納税者」双方にメリットがあるように考えられた制度があるから普及が急速に進んだのだとか。
さて、日本の財務省はそのような「納税者のメリット」を考えてくれるのでしょうか。財務省が納税者と手を取り合って、具体的に言えば「納税者のメリット」も考慮したうえで、義務化を考えてくれることを期待しましょう。

# by tax1st | 2017-04-21 09:43 | 法人税

セルフメディケーション税制   

セルフメディケーション税制って聞いたことありますか?

所得税の確定申告をなさる方、医療費控除はご存知ですよね。サラリーマンの方でも、「去年は病院にたくさんお金を払ったなぁ」というときは、少しでも税金を取り戻すために確定申告をなさった方が少なからずいらっしゃると思います。

医療費控除は10万円以上の医療費がかかった場合に、超えた金額だけその年の課税所得から控除できるという制度です。所得によっては10万円に届かなくても医療費控除を受けることができる場合があります。

さて、セルフメディケーション税制です。これは、別名「医療費控除の特例」とされています。
簡単にその違いを言うと、①医療費控除は病気にかかった場合に支払った医療費が対象ですが医療費控除の特例は病気の予防に心配りしている方が病気にかかっても病院行かずに済ませた場合の医療費が対象です。
さらに、②医療費控除は原則「かかった医療費-10万円」が課税所得からの控除金額ですが、医療費控除の特例は「かかった医療費-1万2千円」が課税所得からの控除金額になるのです。

おお、医療費控除の特例は使えそうじゃん、と思ったあなた、デメリットも要チェック。①医療費控除との併用はできません。②控除できる医療費の上限は8万8千円です。③対象となる方と医療費は限定されています。

病院に行かずに1万2千円以上の医療費を使うって、結構難しいかもしれない、というのが率直な感想です。上限なんてとても届きそうにありません。ただ、対象となる医療費は限定されているものの、意外と対象となる薬品は多いらしいです。

まず対象となる方ですが、条件として健康診断等を受けるなど、「健康の維持増進及び疾病の予防への取り組みとして行う個人」に限られます。健康診断等とは、特定健康診査(メタボ診断)、予防接種、定期健康診断(事業主健診)、健康診査(人間ドッグ等)、がん検診、などが該当し、これらを行ったことを明らかにする書類(お医者さんか医療機関の名称が記載されているもの)を確定申告書に添付する必要があります。これは、かなりの方が受けていますよね。
次に対象となる医薬品ですが、スイッチOTC医薬品になります。スイッチOTC医薬品とは、要指導医薬品及び一般医薬品のうち、医療用から転用された医薬品のことです。これらの領収書を添付する必要があるのですね。では、スイッチOTC医薬品とは何ぞや。かなり一般的なお薬も対象になっているようです。例えば、「ガスター10」とか、「ロキソニン」とか、「アレジオン」とか、「メンターム」とか、「バファリン」とか、「ノーシン」とか、「パブロン」とか、CMの決め文句が頭に浮かんでくるお薬なら大抵のものが対象になっているようです。

対象となるお薬にはこんなマークがついているようです。a0247378_1645591.pngお薬購入の際の目印にしてください。

最後に、こんな制度ができた目的ですが、国民の医療費増大が健康保険の国庫負担を圧迫しているらしく、国庫負担を少しでも減らしたいというのが主眼なようです。それなら、1万2千なんて限度をつけなきゃいいのに、と思うのですが、少しでもアリにすると確定申告の処理も大変になるし、税収も減るしということなんでしょうか。より使いやすい制度にして税収が減ったとしても、健康保険の国庫負担を減らせばお釣りがくると思うのは僕だけかな?

# by tax1st | 2017-04-12 16:10 | 所得税(源泉税以外)

国税のクレジットカード納付   

地方では現金信仰というものが根強く残っている地域も少なくないようですが、都市部ではキャッシュレスがかなり進んできました。クレジットカード、プリペイドカード、デビットカードなどなど、キャッシュレスで小銭のお釣りがなくなるのはいいのですが、かえって”カード類でお財布がいっぱい!”ということにもなりそうな気配です。これにポイントカードが加わると、お財布パンパン状態ですよね。

さて、キャッシュレスの時代に対応した施策が国税でも始まっています。国税のクレジットカード納付です。
クレジットカード納付の手続き(国税庁)

現状で、国税の納付方法は、1.昔ながらの税務署での現金納付、2.もっとも一般的な金融機関での納付、3.コンビニ納付、4.指定口座から引き落としの振り替え納付、5.ネット上で決済をするダイレクト納付、6.クレジットカード納付、の6つになります。このうちの6番目のクレジットカード納付は平成29年になって始まった新しい納付方法です。

クレジットカードで納付をすると、どんなメリットがあるでしょう。まず、後払いで済むこと。次に、ポイントが付くこと。ポイントが付くなら普通に納付するよりもお得感あるなぁ、と思ったそこのあなた、デメリットもチェックしてくださいね。

次にデメリットです。第一に、クレジットの手数料は納税者が負担します。次に、納税証明書の発行が遅くなります。クレジットカードをお買い物で使い場合、手数料を負担することはまずありませんね。たまに、”ポイントが少なくなります”と言われることはありますが…しかし、国税を納付する場合は、1万円ごとに82円(税込)の手数料を納税者が負担しなければなりません。単純に考えれば、最低でも0.82%の負担が生じるわけです。そこで、ポイントのお得感に酔っていたあなた、ポイント還元率をチェックしてからお得感を考えてくださいね。すなわち、少なくとも0.82%を上回るポイント還元率でないと、かえって損になるのです。一般的なポイント還元率は0.5%のようなので、カードを選ばないとポイントでのメリットは享受できないことになります。つぎに、借入などの関係で納税証明書をすぐに入手したい場合は、クレジットカード納付をすると困る事態になります。クレジットカード会社を経由しての納付のため、納税証明書発行まで時間がかかり、2週間程度は余裕を見ておいた方が良いそうです。

世の中にはポイント還元率が1%を超えるクレジットカードもあるので、これらのカードを用いれば手数料分のもとはとれそうですが、お得感はあまりありませんねぇ。そうそう、クレジットカードでお得な納税がありました。ふるさと納税です。これは、手数料を負担することがありませんからね。

# by tax1st | 2017-04-03 10:24 | その他

ふるさと納税の返礼品比率   

ふるさと納税がずいぶんと一般的になりました。ふるさと納税専門のサイトを見ると「こんなものまであるんだ」と驚くことも…。日用品などもあり、もはや地方の名産を楽しむための返礼品から、日常生活を快適に過ごすための返礼品へと、選択肢はますます広くなっています。

そんなところで気になる記事を見つけました。

(朝日新聞社より)ふるさと納税返礼品は寄付金の3割まで(総務省通知)

ふるさと納税の返礼品競争が過熱気味だということで、規制までも行かなくても「通知」というお達しで「気を付けてくださいね」というニュアンスのお知らせを各地方自治体に出すようです。なんでも、寄付金の4割超が返礼品調達のために使われているのだとか。つまり1万円のふるさと納税をすると、自治体は4千円以上のコストをかけて返礼品を納税者に届けているというわけです。これが「地域活性化」という本来の目的からずれているケースもあると考えたらしいのですね。

たしかに、返礼品で普通に売られているビールなどが来ちゃうと、地域の活性化にはあまり役立たないかもしれないなぁと思いますね。その一方で、地元の物産を送ることで、第一に物産を作ったり販売している地元企業が潤い法人住民税や事業税となって跳ね返ってくる、第二に地元の企業が繁盛すれば雇用促進につながる、第三に雇用促進につながれば若者の流出に歯止めをかけ労働人口の増加につながり人口減少や高齢化に歯止めをかけることができる、第四に地域の物産を外部にアピールできるetc などなどちょっと考えただけで返礼品が及ぼす好循環を上げることができます。

そもそも総務省が旗を振ってやったのに、今更抑える方向の通知を出すのは、まさにマッチポンプじゃないの?と思ったりもするわけです。
でも返礼品のリストを見ていくと、たしかに過熱感があるかなぁとも感じます。

さて、この通知、4月1日付で出すようです。いかに「通知」といえど、全く無視するのは地方自治体にとっても勇気ある行動だと思います。となると、4月1日以降は、ふるさと納税の返礼品で今までほどの返礼率を期待できなくなる可能性は大いにありそうです。では、今のような返礼率を得られるのはもしかしてこの3月以内?皆さん、念のためふるさと納税は3月中に行いましょう!

# by tax1st | 2017-03-23 14:27 | 住民税